魔導物語1-2-3感想(MSXマガジン永久保存版2より)

ぷよぷよの原点!

このゲームを元に「ぷよぷよ」が作られたそうです。

もっとももこの「魔導物語1-2-3」にはさらに「魔導物語エピソードⅡ」という原作があるので、「シリーズ全ての原点」というわけではないようですが、それでもルルーやミノタウロスといったシリーズでも馴染みのキャラクターが初登場する、「シリーズ第2の原点」とでも呼ぶべき作品です。

*ぷよぷよや魔導物語の歴史についてはリンク集の中にある「はてな堂」様がお詳しいのでそちらをご覧下さい。

私自身はぷよぷよを知った5、6年後位に魔導物語の存在を知りました。もちろん「魔導物語はぷよぷよRPG」だと勘違いをしてましたヨ(^_^;)

魔導物語がぷよぷよのRPGなのではなく、ぷよぷよが魔導物語の落ち物パズルゲームなのだと知ったのは、このゲームがMSXマガジン永久保存版2に収録されると知ったのより少し前のことでした。(つまり、ぷよフィ発表前後ぐらいの時期・・・)

というわけで、「ぷよの母体になったゲームってどんなのだろう?」と凄くワクワクしながらMSXマガジンの販売を楽しみに待っていました。

ぷよでおなじみのキャラが出てきたら、「この頃からいたんだー♪」と思い、ぷよでは見かけないキャラが出てくれば「こんなモンスターがいたんだー♪」と思い、楽しみながら敵キャラと遭遇していました。

…というわけで以下に、独断と偏見によるプレイレポートらしき物を掲載します!!

ぷよぷよとは違う!? ダークでシビアな世界観!!

最初にプレイしたのは、やはり「1」です。

「幼稚園生のアルルが、今年で唯一幼稚園の卒園試験を受ける資格を得たので、イリュージョンモンスターが潜むダンジョンに挑む!!」…というシナリオです。

「な~んだ、簡単じゃん。しょせん幼稚園生の試験でしょ?」などと侮るなかれ!! これが結構(かなり?)難しい! 「ウソだ!」と思う方は一度実際にプレイしてみる事をオススメします(^^;)

当時コレをプレイしていた私は高校生でしたが、攻略情報を見ながらでも難しくて難しくて「・・・こんなキツイダンジョン、幼稚園生にやらせるなよ! 子供の頃から(イリュージョンとはいえ)モンスターと戦わなくちゃらなないなんて、この世界はどんだけシビアなんだっ!?」と思いました(^_^;)

後述の「ファジーパラメータシステム」がゲームの難易度をさらに上げていた気がします。それでも勿論、クリアできない事はないですし、単に私がRPG苦手なだけかもしれませんが…。 

魔導物語最大の特徴!? ファジーパラメータシステム

なんと言ってもこのゲームの特徴はヒットポイントや、キャラクターのレベルを数値化しない「ファジーパラメータ」システムです。

ぷよぷよでお邪魔ぷよの降る量が数値ではなく「予告ぷよ」と呼ばれる、隕石や彗星と言ったイラストなのは、ここが原点なのですね。

「ぷよ」には「ファジーパラメータシステム」がうまく適用しているように思えましたが、本家というかRPGである「魔導物語」にはちょっと厳しいような気もしたのですが・・・。

敵も自分の残りHPが分からないというのは、なかなか新鮮でした。(本当は20年以上前のゲームだけど)

・・・しかし、「もうすぐ倒れそう」とか言いながら、なかなか倒れないドラゴンには少々腹が立ちました(魔導物語3)

やっぱ、テキストだけで相手のライフを想像するのは厳しいぃ~!!

強いぞ!? 増幅魔法「ダイヤキュート!!」

ぷよぷよでは影の薄かった「ダイアキュート」がかなり強力!! 凄く好きな魔法になりました。とくにこの術を使った後で眠りの術「ひーどん」を使い、相手モンスターをフルボッコ(?)するのが楽しかったです(笑)

一度使うだけで「次に使う魔法の威力が3倍になる」「ただし、攻撃力の上昇は持続しない。(一度攻撃したら次の魔法は元の威力に戻る)」事が特徴。

このゲームで最も大活躍した魔法といっても過言ではない!!(笑)

「気(ダイアキュート)を溜めて相手により強力な攻撃を加える」システムと「増幅した際に次の呪文の頭文字が被る」演出もこのゲームの特徴の一つだと思います。後者はセガの「ぷよぷよフィーバー」にも引き継がれていて、感動しました。

元祖大人アルル!? ボインでモンスターを欺く????

さて、この頃(魔導物語2以降)の特徴といえばなんと言ってもアルル!!

凛々しくて格好いい!!

本当に「大人の女性」って感じなのです。ゲーム中のイラストだと18歳くらいに見えます。

道理で魔物を色気でだませるはずですわ(笑)

「ぷよのアルルたちはかわいらしさを追求した子供っぽいキャラだけど、魔導は元々大人っぽいイメージのものだった。」ってウワサは本当だったのですね。

アルルが「色気で魔物を騙す」シーンが見たい、…ような気もするのですが、あんまりそういうシーンを入れると「別のゲーム」になっちゃいますよね(笑)

アルル、カー君との出会い

魔導物語2のラストでは、ぷよぷよでは描かれなかったアルルとカー君の出会いが見られました。

アルルを見ておびえているカー君が可愛かったです。そんなカー君は現在では見られませんよね

アルルがカー君を「アンタ」と呼んだのも衝撃的でした(だってぷよシリーズのアルルの二人称は「キミ」だったから・・・)それにカー君の鳴き声が「キィ・・・」でびっくりしました!! 今とは違うんですね(魔導物語2のエンディング)

衝撃の新(旧?)事実!! 実は魔法が使えた(?)ルルー!!

「魔導物語3」はオープニングからいきなり衝撃的な事件が発生。

ルルーさんが怪しげな呪文を唱え、「いでよ、ミノタウロス!!」と明らかに召還魔法らしきものを使用したのだ!!

案外、この頃のルルーは格闘家でも何でもなく、アルルと同じ見習い魔導師だったりして…?(後述のエンディングで「あたしも魔導師になる」と公言しているし)

セガぷよ含む現在のルルーといえば「格闘女王」ですが、実はそれは後付け設定なのだとか。…という事は、運命が一つ違えば(初期のスタッフが後の作品も作っていれば)現在とは全く違う、大魔導師なルルーさまが拝めた…の、かもしれません?

カーバンクルVS音を食うモンスター!!

「3」では音を食うモンスター、サムライーモールが実にユニークでした。

登場すると最初に音を食うのでBGMが消えます。

魔法を使おうとすると、アルルの呪文まで食べてしまいます。魔導師のアルルは攻撃呪文以外、相手を攻撃する手段がほとんどありません。

このまま万事急須?

しか~し!! 彼女には秘策がありました。音を出さずに相手を倒す方法それは…・・・

カー君に頼ること!!

ってなわけでこのサムライモールはカー君に倒してもらいました!!(凄いぞカー君!!)

ええ、そうです、ぷよぷよでは全く役にたたなかった・・・どころか「わくぷよ」では邪魔なだけだったあのカー君が冒険の手助けをしてくれるんです。うおお!!コレは凄い☆

でも、カー君に攻撃させるとアルルは敵に攻撃できません。

カー君は寝た振りして敵を攻撃してくれない時も結構あるし、カー君任せの戦術は一種の「賭け」でした(笑)

…ちなみに「サムライモール」は「ぷよぷよ」作品には(2011年現在)「通」のみの登場で、漫才デモ中には「アルルの呪文を食う」描写がありましたが、ぷよぷよ地獄の最中にはアルルの呪文は食わないんですね……。これで呪文を食ったら最強キャラ過ぎる気がしますが、ちょっと残念(?)です。

ローグライクゲームである「わくぷよ」でも呪文を食べることはしませんし…。ちょっと寂しいかもです。

強い、強すぎるぞ…! 迷宮のボス、ミノタウロス!!

「3」ラスボスのミノタウロスは強くて強くてなかなか倒せなくて大変でした。

攻撃して、かなり弱らせても、HPを回復してしまうのでまた振り出しに戻ったような感じです。

いや、むしろ、自分はダイアキュートを使って攻撃していた分、魔力が減っているのでピンチに!!

最後の方はカー君に頼りっきりでした。アルルが後一撃でやられてしまう(らしきメッセージが出た)けれど、ミノタウロスが後一撃で倒せるかは分からなかくて大変でした。(敵の残りHPを示すメッセージは4種類しかない)

その時、「もういい回復しないでカー君にミノを攻撃してもらおう!」と思って攻撃したら倒せました(笑)いやー危なかったです。カー君ありがとう☆

……でもそうすると、カー君はミノより強いってことですよね……? ヒト…じゃなくてモンスターは見かけによらないですね(笑)

アルル、ルルーと再会!!

いよいよ「3」もエンディングです。

「魔物を解き放ったのはアナタだったんですね」

とアルルが話しかけているのはなんとルルー!!

今まではサタンラブの格闘女王様ってイメージしかなかないけど、元々は魔物たちの女王だったんですね。ビジュアルも今以上に大人びていて、凄くかっこいい!!

それと、ルルーにですます口調で話すアルルは他では見られませんな(笑)

思わず笑ってしまったのは、ルルーがババウ岩をアルルに渡す条件!

「あたしも魔導師になるのよ。でも魔導学校までの道知らないの。一緒に行きましょうね。」

この時の「なんじゃそりゃ」と言わんばかりのアルルの表情も最高。

ルルーさん、道ですれ違ったときは一方的に勘違いしてアルルにケンカ売っておきながら、都合が変わったとたん「一緒に行きましょうね」と笑顔で言ってしまうところがもう……お茶目過ぎます。

あっさり承認しちゃうアルルも凄いけどルルーがここまで面白いキャラだとは思ってなかったです。

不気味、だけどユニークで面白い

「1、2、3のうち、一番面白かったのは1かな…?」と思いましたが、進めるうちに面白さが増したのは3でした。

3には1や2にはない色々なシステムがあって面白かったです。

カー君のアイテム鑑定や、種を育てるイベントなどなど。上から下にのびるサカサマ草の種をアイディア賞にしたい(笑)

空中に浮かんだしゃべるの口とか!(胴体はないみたい・・・)不気味ですよね(笑)なぜ馬なのか、なぜ口だけ浮いてるのか全く意味不明(ラプンツェルという童話に首だけの馬がいましたが、それがモデルなのか?)でもなぜかそこが面白い。

他のゲームにはないユニークさがこの「魔導物語」の魅力じゃないかと思いました。

ぷよぷよは魔導物語あってこそのゲームだったんだなぁ・・・と素直に納得しました☆



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